研修プログラム

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【研修プログラム】心臓血管外科専門医修練カリキュラム

研修プログラムについて
心臓血管外科専門医育成には卒後3年目より4~5年間程度の期間を要します。
日本外科学会外科専門医制度による修練と整合性を保ちつつ行います。

【1年目】

1年目は、心臓血管外科医として基礎を作る時期であり、術前症例のサマリを作り、循環器内科とのカンファレンスに出席し、術中の麻酔管理や、人工心肺管理を体験することに従事さます。
この中で、疑問点を自習させ、さらに指導医が教育することで、外科医としての基礎力の向上を図ります。

また、比較的難易度の少ない心臓血管外科手術に参加さることにより、手術の基本手技を学ばせ、その患者の術後管理を上級医と一緒に行い、管理のポイントを学ばせます。
症例報告等の発表をしたり論文を読んだりすることで、学会発表の練習を行います。
手術を執刀する際には、指導医と一緒に行い、インフォームドコンセントの仕方の基本を学びながら執刀を行います。

この1年間では、心臓血管外科専門医認定機構が示す難易度Aの執刀が20例以上を含め、全部で50~100例の手術に参加することを目指します。
主に難易度B以下の手術の開閉胸、開閉腹やまれに軽症例のポンプの確立などの執刀に参加し、それ以外は第二助手以下で参加することとなります。

【2年目】

2年目は、前年に習得したことを踏まえ、さらに知識と技術を向上させる時期です。
下級医や研修医に対しての教育も行い、習得したものをより確実にすることも大切にします。
また、学会にも積極的に参加し、臨床研究の発表を行ったり、教育セミナーや講演などにて、現在のトレンドやエビデンスに基づく治療法を学習します。
修練中を通じて診断に必要な問診および身体診察を行い、必要な検査法の選択と実施ならびにその結果を総合して、心臓疾患、血管疾患の診断と病態の評価ができるようになることを目標としています。

呼吸循環管理、薬剤投与、輸液輸血などの診療知識を習得し、実施できること。
心臓、血管系の発生、構造と機能を理解し、心臓疾患、血管疾患の病因、病理病態、疫学に関する知識を持ち

手術に関しては、心臓血管外科専門医認定機構が示す難易度A10例以上、難易度B10例以上を執刀し、全体で50例~100例の手術に参加することを目指します。
難易度C以下の手術の開閉胸、開閉腹やポンプの確立、難易度B以下の手術の第一助手、それ以外は、第二助手以下でなどの執刀へ参加します。

【3年目】

3年目は、チーフレジデントとして活躍する時期です。
しかしながら、1年目・2年目で習得したことを踏まえ、さらに知識と技術を向上させなくてはなりません。

3年目は、学会に参加するだけでなく、学術論文を書くことも義務化としています。
難易度Aのインフォームドコンセントは下級医と行い、医療の限界やエビデンスに基づく説明ができるようにします。
また、チーム医療に心掛け、リーダーシップに関する知識、技術も身に着けることが必要です。
修練3年目以降は診断に基づき、個々の症例の心身両面に対応して心臓疾患、血管疾患に対する手術療法を適切に選択し、安全に実施することができることを目指します。

心臓血管外科専門医認定機構が示す難易度A10例以上執刀、難易度B15例以上執刀、難易度C5例以上執刀し、全体で50例~100例の手術に参加することを目指します。
難易度C以下の手術の開閉胸、開閉腹やポンプの確立、難易度C以下の手術の第一助手、それ以外は、第二助手以下で執刀に参加します。

【4~5年目】

4~5年目以降は、3年間に達成できなかった手術症例数や、論文作成、さらなる知識の習得を行い、専門医申請資格を満たすレベルとなることを目標とします。
5年間の修練期間中に日本胸部外科学会総会または、日本心臓血管外科学会総会または日本血管外科学会総会に3回以上参加します。
同期間中に筆頭で3回以上の学会発表を行いますが、少なくとも1回は日本胸部外科学会総会または日本心臓血管外科学会総会または日本血管外科学会総会で発表することとなります。
また、心臓疾患、血管疾患に関する心臓血管造影法、心臓血管カテーテル検査法、経食道超音波検査法、心筋シンチグラム、肺換気血流シンチグラムなどの特殊検査の結果を解析できるようにします。

30例以上執刀。全体で50例~100例の手術に参加します。
第一助手としては50例以上、第二助手としては定められた基本的手技を行い、心臓血管外科専門医認定機構が示す総点数500点以上を経験できるよう配慮します。